先生に必要なのは自分への自信
教室を開くにあたり、「自宅教室の先生になるには資格は必要ですか?」という質問がよく寄せられます。
ズバリ、自宅教室を開くのに資格はいりません!
生徒さんさえ集まれば、今日からでもスタートできます。先生に必要なのは専門知識プラス、それを伝える力と学び続ける好奇心です。わかりやすい指導や説明を受けると人は満足します。新しい気づきや体験を得られる教室はマンネリを感じさせません。
わかりやすく伝えるコツとは? 調べれば、細かい話法やら技術はいろいろあるでしょう。でもいかなる分野でも「わかりやすさ」のベースはひとつです。先生の説明に「自信」があることです。資格がなくても豊かな知識と技術があるなら、ゆっくり、堂々と人に教えることができます。反対に生徒さんの質問や作品の手直しに焦ってしどろもどろでは、つい早口になったりしてうまく伝えられません。
資格は自分に自信をつけるためのもの
自信を持ってマイペースで話しましょう。そのためには、まずは信頼のおける教室、先生にしっかり学ぶことが大切です。パッケージの制度で、簡単に資格者を出して更新料を取るスクールもあるので、くれぐれもよく調べて下さい。それではあなたに自信がつきません。
しっかり学んで、専門スクールのコースの全過程を修了し、あるいは試験に合格するなどして発行される資格は、あなたが知識を得た証です。そしてその資格の多くは所属する協会や、財団の傘下の先生として活動する場合に必要とされます。「資格=その団体の会員証」なのです。
資格の有無と集客は無関係
勘違いしやすいのが、資格を持ったからといって、生徒さんが自分の教室に集まってくれるか? というと、そういうわけではありません。「あんなにお金を出して資格まで取ったのに生徒さんが来ない……」「がんばって卒業したのに、さらに会員の更新料ばかりかかって……」と嘆く方もいらっしゃいますが、その資格を取ったがために、心揺れたり、落胆することになってしまっては本末転倒。もったいないことです。
考えてみてください。教室に飾ってある先生の額入りの資格証。それをまじまじと見る生徒さんはいるでしょうか? おそらくNOでしょう。それが先生のものであって、生徒さんのものではないからです。
生徒さんが一番関心があるのは自分にかかわること。先生の資格より、今日これから自分が作る作品、レッスンの中身が重要なのです。
あなたが映画を観ようするとき、主演の俳優さんがアカデミー賞を受賞しているかを調べて、見るか見ないかを決めるでしょうか? その賞は俳優さんにとって輝かしいものかもしれませんが、それは俳優さんのもの。こちらはその映画がとても見たいから、作品の内容にひかれて、あるいはその俳優さんが好きだから映画館に行くのではないでしょうか。
このように資格はあくまでも、自分自身のもの。自信がつけば良しとし、生徒さんの集客とは切り離して考えましょう。
資格の明確な役割は、所属している団体でポジションをキープするものであり、傘下で活動する場合に価値を発揮します。
スクール認定校や協会傘下ではなく、フリーや個人で活動するのであれば、資格がなくても自信とスキルがあれば何も問題はありません。
どんな場合も、人が関心を持つのは、自分自身に関係のあることです。人は自分が習いたいこと、自分が欲しい物に関心があります。その自分の気になることがあなたの教室にあるからこそ、来てくれます。
つまり、生徒さんは自分が得るもの、その確かな手ごたえがあれば、先生の資格にかかわらず自ずと集まります。
自分が得るもの、手ごたえとは? そんなに難しく考える必要はありません。作品はもちろんですが、フラワーアレンジであれば、「3箇所に分けて花を置きましょう」と言う先生と、「3箇所にそれぞれの花の向きを変えて変化をつけておきましょう。表情が出ますよ」と言える先生では、生徒さんの得るものが違います。出来上がりも全然違ってきます。些細なことも、積み重なると生徒さんにとっては大きな差となりますね。ここが生徒さんにとって非常に重要なところで、先生の資格があるなし云々ではないのです。
先生に求められるのは、基本から応用まで豊富な知識やイメージをわかりやすく伝える技術といえます。 イメージを伝えるための具体的なノウハウはセミナーで詳しくお伝えしています。