ここからはあなたの教室作品の魅力を考えます。
ところで、教室が長く支持され続けるコツとは何でしょう?
同じ質問を、私がよく仕入れに行く業者のスタッフの方にも聞いたことがあります。関東中のお花の先生方が集う某大手卸業者です。その答えは「自分だけのオリジナリティ、こだわりを持つこと。そしてそれがブレないこと」という返事が返ってきました。
彼らは日々何百件という教室、先生方を相手に商売をしています。どんどん有名になっていく教室、いつか遠ざかってしまう教室を目の当たりにしています。その言葉には重みがあります。
ブレない個性とは
たしかに、人気の教室は他にはないオリジナリティ、個性があります。個性を持つとは、「私であるのは、私だけだ」ということを主張することです。「あなたらしくある」ということです。
同業の他人と自分を比較したり、丸ごとマネしたり、影響されてばかりだと、自分自身がないだけでなく、翻弄されて自分も疲れてしまいます。成功している人を見ると気になるものですが、人生は長い一筆書き、成功の一点だけをコピーすることはできません。あなたにはあなたの成功の形が別にあります。
私は私でいく
人との競争や比較にはきりがなく、まるでモグラたたきゲームのようです。生徒の人数、規模、テレビに出た、本を出した、どこかの教室に勝った……いくら実現したとしても、必ずまだその上がいます。いつまでたっても、安堵も充足感もありません。他人と比べて揺れ動く気持ちは、モグラが穴から出てくるのを待ちながらハンマーを構えているのに似ています。ゲームに必死になっている眼は、もはや大切な生徒さんを見ていません。これでは本末転倒ですね。
素晴らしい先生、見習いたい先生がいたら、感銘を受け心からリスペクトはしても「私は私」の感覚も大事にしましょう。
人気のジャッジは生徒さんが決めるもの、お任せしておきましょう。それよりも、あなたが仕事をするのは、あなた自身が豊かな人生を送るためではないでしょうか。そこを知っている人が「ブレない」仕事ができるのだと思います。
先生がポリシーや個性をしっかり伝えていけば、不思議とその感性に共鳴する生徒さんが集まります。もちろん言い換えれば、先生の個性に呼応しない生徒さんは集まらないかもしれません。人の好みはそれぞれで、仕方のないことです。
流行や話題のデザインも、そのまま鵜呑みにせず、自分で見つけてきた素材と組み合わせたり、省いたり、プラス自分の個性やオリジナリティを付加して作品を作りましょう。
好きな人にはたまらない教室になる
シック&ナチュラル系のデザインを好む先生のところにはモダンで落ち着いた印象の生徒さんが集まり、ファンタジックでパステル系を好む先生のところには可愛いものが好きな生徒さんが集まるでしょう。反対の組み合わせになることはなく、でも、それでいいのです。
好きな人には、もう、たまらない教室であることが大切で、ずっとここに通いたい! と思われる最大の魅力となります。生徒さんによっては、気がつけば10年以上も通っていた、そんな教室もたくさんあります。